ロマンチック やわー

めずらしくも楽譜の整理をしました。で、一つ見つけたんです。どこか怪しい出来事を。

 

事の発端は「大正ロマンチ歌」という題名で、どう読んだらよいの、「・・・歌」は「うた」なの、それとも「カ」なの?

 

添付したのは楽譜の配布元である全シ連の資料の抜粋で、楽譜題名は「大正ロマン」であり2曲目と5曲目の曲名は「???」って、怪しいですよね? で、誰かが「・・・チ歌」を加えたという推測に(勝手ですが)至ったのであります。

 

題名のゴロを思えば「ロマンチカ」がよさそうで、この単語はスペイン語で「ロマンチックな女性」を意味するのだそうです。昔、と言っても昭和ですが、「東京ロマンチカ」というボーカル・グループがありましたが、時折参加する女性歌手を除けば全員男性でした。蛇足ながら、ロマンチックな男性を表すのは、「ロマンティコ」だそうです。

 

そんな・こんな、楽譜に題名を記載することができるのは限られた人であろうことも考えれば、この曲名を「大正ロマンチカ」にしたのは、ほら、きっとあの人に違いありませんよね。

 

メドレーの1曲目は添付の抜粋資料では「枯れすすき」となっています。ものの本によりますと、「船頭小唄」は歌謡曲の題名であり、1921(大正10)年3月30日、民謡「枯れすすき」として野口雨情が作詞したものに中山晋平がメロディをつけたものだそうで、翌1922(大正11)年に神田春盛堂から詩集『新作小唄』の中で、「枯れすすき」を改題し「船頭小唄」として掲載されたのだそうです。なお、「船頭小唄」は明仁上皇がカラオケの十八番としておられるそうですよ。ミチコ上皇后に歌ってお聞かせになるのでしょうかねー。

 

2曲目の???題名は楽譜購入後しばらく不明でした。かの物知り楽譜担当の U さんも首を傾げたとか。で、近所のご老人に尋ねたところ、そりゃ「さすらいの唄」だよと即座に判明した次第、年の功ですね。調べてみると、作詞:北原白秋、作曲:中山晋平により、大正6年(1917)に発表されたものでした。

 

3曲目は記載の通り「波浮の港」ですね。

 

4曲名の題名が「カチューシャかわいや」と歌の歌いだしそのままに掲載されているのはいかがなものでありましょうや。本題は「カチューシャの唄」、1914年(大正3年)に発表された曲で、同時に同楽曲を題材にした同年製作公開の日本の短篇映画もあるそうです。作詞は島村抱月と相馬御風、作曲は中山晋平。劇団芸術座の第3回目の公演である『復活』の劇中歌として、主演女優の松井須磨子などが歌唱したのだそうですよ。

 

5曲目???の題名は「美しき天然」。佐世保海軍第三代軍楽長の田中穂積作曲、武島羽衣作詞の唱歌。1902年(明治35年)完成。ワルツのテンポでと楽譜に表示されていることから、日本初のワルツとされています。大正よりちょいと前ですが、まー、その点は令和の現在からみれば些細なことといたしましょう。

 

疑問が解けて、さらに楽しめそうです。

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(注:今回も各種資料にウィキペディアのお世話になりました。感謝)