桜の思い出

17日、練習を終えて、Kさんを駅まで送る道の両側の桜並木はわずかにほころび始めていました。

今年はあちこちでお花見も解禁されTVでは咲き始めた桜や卒業式の便りで賑わっています。

 

桜といえば2年前、コロナ感染拡大の中のお花見の思い出が蘇りました。

 

家の近くの桜が終わりかけた頃、このあたりでは誰もが知る桜の名所、樹齢300年の「吉高の大桜」が満開になります。

 

その晩、全国放送のTVでライトアップされた吉高の大桜の下、森山直太朗さんが合唱団と共にあの「桜」を歌い上げました。

ライトに浮かび上がった桜の前、歌声の素晴らしさと美しい歌詞が胸に刺さり感動したものです。

 

ミーハーの私は、これは実物を見なくてはと、翌日吉高の桜を目指しました。(駐車場から桜まで遠いと聞き、これまで行く気がしなかったことをすっかり忘れていたのです。)

 

歩き始めてすぐ後悔の気持ちが持ち上がりました。ミーハーは私だけではなかったのです。

昨夜のTVを見たと思われる人、人、人の波。

田舎の道に突如現れた大勢の花見客!

それに行けども行けども見えない桜!

唯一救えたのは下り坂だったこと。

という事は帰りは上りになるのです!

2、30分ほど歩きやっと桜に到達。

夜空に浮かんだ濃いピンクではありませんでしたが、江戸時代より大切にされてきた山桜はやはり美しかったです。

コロナ禍、誰もが癒しを求めていたのでなおさらです。

菜の花の黄色と桜のピンク、紫色の野草の風景にホッとさせられ春を満喫した気分になりました。

 

しかし、現実は厳しいものです。

帰りは長い上り坂が待ち受けていてあちこちで休憩する人達の多い事!

これから桜を目指すという杖をついて歩くのがやっとの高齢の方とすれ違った時は、およしなさいと忠告したくなる気持ちを必死で抑えたものです。

 

今年は? 勿論やめておきます。

一昨年撮った写真でも眺めて、家で美味しいコーヒーでもいただきます。

 

 sugar & milk