楽譜のしつらえー多数頁

今回のテーマは多数頁の楽譜です。現時点、わたしのパート譜中で一番の長編は「美しく青きドナウ」。イントロ(そう呼ばないのかも?)、1~5のワルツ、コーダそれぞれに1頁を当てると7頁のパート譜です。
わたしのプリンターはA4サイズが最大なので、それで印刷した7枚に、偶数にするべく白紙を裏表紙として加えた計8枚です。

 

これらの頁を張り合わせるので、糊代の巾を狭くすれば残る紙面が有効に使えます。どの程度に狭く?は、「一分の隙もない」と云われてきたように(一分=)3ミリ程度であれば言い訳が立ちましょう。いずれにせよ、あなた自身の標準ができれば、それを中心にすこし広め、すこし狭めの3つの巾を使います。

前回の投稿、「...張り合わせるには糊の量が少なければ少ないほど良く...」などと曖昧なことで良いのか、と、神の声が聞こえてきましたので、具体例を。写真にある定規の右側、巾4ミリほどの糊代の中ほどにある点線のようなもの、これが糊(木工ボンド)です。ご参考まで。

糊を全体に塗りつけるのが糊代ということのようで、チョットしか糊を塗らないのだから用語不適切との声も。ま、優や良の点はいただけなくとも、可ということで。

さて、ザックリとした作業図をご覧ください。

 

8枚を頭から順に 1, 2, 3 ... 8 の頁番号で呼びます。

 

では、始めましょ。


手順1 山折り側
a. 1頁の右端裏側を糊代(チョイ広、例4ミリ巾)にし、2頁の左端表側を張り合わせます。
b. 張り合わせ部分の2頁側を山折り(外表)します。1頁と2頁の幅は糊代分(例4ミリ)、違ってきます。

 

同じように3-4頁、5-6頁、7-8頁を作業して、4組を作ります。

 

手順2.谷折り側
c. 2頁の右端裏側を糊代(アナタ標準、例3ミリ巾)にし、3頁の左端表側を張り合わせます。
d. 1-2頁と3-4頁の2つの山折りを揃えて、張り合わせ部分を谷折り(中表)します。

 

同じようにして5-6頁、7-8頁を加えてゆくと、蛇腹に繋がった譜面が出来上がります。ネットを見ますと、こんな状態の譜面は「勧進帳」と呼ぶんだそうです。かの弁慶君は白紙を勧進帳として朗々と読み上げたとか。こちとら、せめて楽譜を書かれた通りに演奏できたらと.と..と...

 

手順3.背綴じ
e. 背側で3と4頁、5と6頁を張り合わせます。糊代はお好きに。
f. 1頁の左端裏側を7頁裏側に張り合わせ(糊代チョイ狭、例2ミリ)、その上に8頁を重ねて張ります。

出来上がった全体を手で伸ばすようにして張り合わせを落ち着かせ、使い勝手によって「脚」を付ければ完成です。

 

実物をご覧になりたい方がもし、もしも、もしももしもおいででしたら、何時でも練習会場でお声をお掛けくださいね。

 

ところで多数頁の楽譜を団からいただく場合、A3 サイズの用紙ということになります。その A3 用紙を使って A4 サイズの楽譜にしつらえるには、

 

1) A3 用紙を山折りする使い方にするなら、
手順1の b から始めます。山折りは、1ページ目が2ページ目よりチョイ広な巾になるように。

 

2) A3 用紙を谷折りする使い方なら、表紙と裏表紙を加えます。
2-1. 手順1の a のように、まず表紙と1枚目の A3 用紙をチョイ広糊代で張り合わせ、
2-2. b のようにそれを山折りにし、
2-3. 手順1の a のように、1枚目の A3 用紙に 2枚目の A3 用紙をチョイ広糊代で張り合わせ
2-4. b のようにそれを山折りにし、
2-5. 手順2の d のように、1つ目と2つ目の2つの山折りを揃えてから、1枚目の A3 用紙を谷折りします。
順次これを繰り返して行くのですが、背綴じをするには表紙の巾がチョイ足りませんから、表紙に 1cm ほど用紙を継ぎ足してから背綴じに入りましょう。

長々お付き合いいただき、ありがとうございました。

G

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コメント: 2
  • #1

    pochi (土曜日, 09 7月 2016 10:27)

    素晴らしいっ‼️です(≧∇≦)

    私は…原本を厚手のコピー用紙にコピーするくらいです。厚手の用紙にすると、色々書き込んだものを訂正するときに消しゴムでも摩耗や折れが少なく、多数ページのときには次ページにめくりやすいのと、空調などの上からの風にもなびかないから…です。
    こんなに綺麗に仕上げたら、練習もはかどりますよね〜‼️脱帽ですっ‼️

  • #2

    G (土曜日, 09 7月 2016 13:07)

    ご意見ありがとうございます。
    製本の主力は「テープ」を使った方法ですが、昔ながらにノリ付けするのも悪からず、ということで....ハイ