シニアアンサンブルのための楽器知識-トランペット

久しぶりに「全シ連-ひびきあい」連載の楽器知識を引用してみます。
今回のは、原案を全シ連・岡村斉能理事長が、補筆を元東京交響楽団トランペット奏者・鴨井次郎さんがなさったものとのことです。

G

 


[10]トランペット(Trumpet)
      *文中はTpと略します。

 

Tpは周知の通り明るく華麗で鋭い音色や柔らかい音色等で演
奏が盛り上がった時などは大きく力を発揮します。使用ジャンルではオーケストラ、jazz & Pops、吹奏楽、マーチングバンド等多方面に亘ります。


1、Tpの種類と歴史
管楽器は木管楽器(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、サクソフォーン等)と金管楽器(トランペット、ホルン、トロンボーン、チューバ等)に分かれ、Tpは金管楽器の最高音を演奏するので、金管楽器の花形と呼ばれています。ラッパは、19世紀の産業革命で金属加工技術が発展をとげるまでは木をくり抜いて作られていましたが、その後、一枚の真鍮板を筒状にまるめて作られるようなりました。当初は現在のような3つのバルブ(ピストン)による12音階の演奏には程遠く、倍音による合図(進軍ラッパ等)に用いられていました。

その後、バルブが取り付けられ、管の長さを調節しクロマ
チィックスケールが出来るなりになりました。
※ピストンの組合せによって管の長さが7種類に調整でき、
7つのラッパを一つにしたのが現在のトランペットなのです
Tpは通常実音より1全音低いB♭管が使用されていますが、
オーケストラ等では実音と同様のC管が使用される場合があります。又、高い音域の演奏にはピッコロTpも使われます。
Tpの仲間として、角笛から発達したコルネット、またアドル
フサックスが開発したサクスホルン族の高音楽器、フリューゲルホーン等があります。コルネット、フリューゲルホーンともTpよりも円錐形で柔らかい音色が特徴です。


2、トランペット奏者
最近は女性のTp奏者が多くなり、例えば芸大のTp専攻の学生の半数以上は女性です。世界的な女性Tp奏者としてはイギリスのAlison Balsomが有名です。故人となりましたが、フランスのMaurice Andreやクラシックとジャズの両方を見事に演奏するアメリカのWynton Marsalis等、世界的に活躍しているTp奏者は多数いますが、是非ユーチューブでご覧になって下さい。

3、トランペットの奏法
Tpは唇を閉じて息を出すとブザーが鳴っているような音がします。
これをTpではバジング(ブザーの音の様)と言います。このバジングがマウスピースを通してトランペットの音となります。
従って、トランペットのウォームアップは、まずマウスピースでバジングを行います。

4、トランペットの種類
吹奏楽では殆ど B♭管のトランペットを使いますが、 現在オーケストラでは種々の長さの異なるトランペットを使用するようになりました。 例えば「展覧会の絵」の第6曲目のトランペットソロの部分は 1オークターブ髙いピッコロト ランペットで演奏します。 又、曲によってはコルネットやフリューゲルホー ンを使うこともあります。


5、B♭管のトランペット
現在、吹奏楽やオーケストラでは主に B♭管のト ランペットを使用していて、記譜音と実音とは2度の違いがあります。従ってパート譜には in B♭と記載されます。 但し、管弦楽曲には♭系より♯系の曲が多く、例 えば「軽騎兵」は A dur なのでトランペットのパー ト譜には in A と書かれており、B♭管の場合、奏者は半音下げて移調して演奏します。

 

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コメント: 2
  • #1

    SWIプレイヤー (金曜日, 11 10月 2019 17:37)

    コルネットやフリューゲルホルンは
    トランペットとは
    管の構造や楽器の生い立ちからして
    「赤の他人」です

  • #2

    G (金曜日, 11 10月 2019 18:12)

    SWIプレイヤーさん
    ご意見ありがとうございます。今後ともご教示、宜しくお願いします。