SE団員の為の楽器知識-その13:コントラバス

新年になり配られてきた全シ連「響」66号に、久々当楽団にもある楽器の解説が掲載されました。

 

え? もう読んだって。そう言わず、もう一度読んでみてください。

 

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コントラバス (Cb)

 

コントラバスはチェロに較べて呼び名が長いので、「ベース」「コンバス」又は「エレキベース」と区別するために「弦バス」と呼ばれたりしています。

 

A 楽器の説明

 CbはVn属の最低音楽器です。低音弦から4度間隔でE-A-D-Gの4弦に調弦され、同の上端が指板に対してなだらかな傾斜をなし、裏板が平らなど、ヴィオル属のなごりをとどめています。

 実音は基部より1オクターブ低くなっていますが、チェロの最低音がCに対して、コンバスはEのため、クラシック音楽、とくにロマン派以前の作品はチェロが主体で作曲されているため、さらに1本ふやしてC-E-A-D-Gの5弦楽器もあります。但し、これはクラッシック音楽の他では使用されず、ポップスなどは通常は4弦です。

 弓はヴァイオリン属では長さでは最も短いですが、棹は最も太く毛の量もチェロの倍ぐらいあります。但し、弓を使わずに指で弦を直接弾くピッツィカートの音が柔らかく伸び、はっきり聞き取りやすいのでジャズ、ポップスなどで歓迎されているようです。

 

B 合奏におけるCbの重要性

 Cbは音域が低いので歴史的にも、ソロ楽器としては、あまり活躍していません。クラッシック音楽でも弦楽四重奏には入らず、オーケストラの中で低音部の一部として位置づけられていましたがロマン派以後管打楽器の編成が大きくなると共に、低音楽器の充実が必要になり、最近ではN響の演奏で8人のCb奏者が登場する曲すら出現しています。

 また、Cbは管楽器のチューバやスーザーフォンに較べて倍音が豊かで、全体のサウンドが立体的かつ柔らかくなるので、吹奏楽や学校の器楽合奏などでこれを備品として保有し、クラブ活動で活用している楽団が多いようです。

 一方、ジャズ、ポップスではCbは最も重要な楽器でアメリカンポップスに「ミスター・ベースマン」という曲があるほど人気があります。国内でも往年の「渡辺晋とシックスジォウズ」や美空ひばりの専属バンド「小野満とスィングビーバーズ」のリーダーだちはベースマンです。優秀なベースマンにはよい団員やお客様が集まるようです。アルゼンチンタンゴではバンドネオン、ヴァイオリン、と共にコンバスは不可欠です。

 

C 練習上のアドバイス

 Cbは立って弾きますが、楽器にもたれかかりますので思ったほど疲れません。又、座高の少し高い補助椅子を使う場合もあります。ただ他の高音楽器に較べ音程が低いので自分の耳で正確な音程を把握するのは難しいので、

(1) チューニングは演奏前にチューナーで合わせる。

(2) 自分の間で音程をとるのではなく指の位置をよく確認して、抑えるようにする。場合によってはポジションマークをつけて正確に押さえるようにすると、全体に迷惑がかかりません。

(3) Cbは合奏で最も正確なリズムを求められていますので、練習時にはメトロノームを使用するようにしましょう。

 

D 運搬上の問題

 Cbは合奏には大変需要な楽器ですが、容量が大きいので保管や運搬が大変です。飛行機やバスへの持ち込みは難しく、電車もラッシュ時は避けなければなりません。小型の車の場合は胴体を後部座席にネックは前の補助席を倒してその上に載せて運んだりしていいます。一般的には練習会場に団の備品として保管して、楽譜だけ持参しているようです。

 楽器容量が大きい割には女性奏者が多く、当連盟にも散見されることは嬉しいことです。

 

(ご執筆 全シ連 岡村様)